まちに残るかけがえのない
文化と歴史の宝物

• しかし、この美しい景観も永遠ではありません。
  飫肥城は、これまでに三度（1662年、1680年、1684年）の大地震に見舞われ、本丸や石垣、城下が甚大な被害を受けてきました。
  さらに、台風災害も重なったことで、藩の財政は深刻な危機に陥りました。飫肥藩の人々はこの城を守り抜くためにあらゆる手立てを講じ、藩の山から巨木を切り出して、必死に財源を確保したと伝えられています。

  

• さらに「松尾の丸」の丘を半分切り崩し、わずか約70日という短期間で大規模な改修を成し遂げました。藩主や家臣、そして職人たちが一丸となって、城下の町並みを再建したのです。
  このように、飫肥の人々は幾多の困難に直面しながらも、地域の誇りを守り、文化と景観を次の世代へと受け継いできました。

  

• その想いは時代を越えて今も息づき、多くの文化遺産は全国の支援者の皆さまからの寄附やご協力に支えられながら、今日までその姿を保ち続けています。
  飫肥の城下町の町並みはほぼ当時の姿をとどめており、九州で初めて「国の重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。このような次の世代への継承は、飫肥だけでなく、油津の町並みや景観、伝統行事等も守られてきています。